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泉美木蘭
2015.4.26 07:25

こんなところに障害者支援施設・・・

金曜日の早朝からまた福島県双葉郡へむけて、
常磐自動車道を北上。
気温が上がり、あっという間に目に映る色彩が変わった。
自然林の多い福島は、「山の緑」と言っても景色はカラフル。
萌黄色、若草色、青竹色、老竹色、山鳩色、緑青・・・
少し遅れて咲いた山桜の薄い桃色。
色がどんどん目に飛び込んでくる。
まざりあって絵を作る山。とってもかわいい。

途中のPAで、

やっぱり何度見てもどう参考にしてよいのやらわからない
空間放射線情報を確認。
そして、ライジングで紹介した除染作業員宿舎建設地へ向かうと、

コンテナ宿舎が続々組み立てられていた。
5人で一日10棟建ててしまう。

被災地の作業員宿舎に限らず、コンテナ宿舎は世界中で需要が
高まっているそうだ。
中国の都市部では、出稼ぎ労働者向けにコンテナハウス賃貸が
人気らしい。賃料が、普通のアパートの3分の1で済むとして、
夢を追って都会へ出て来た多くの若者が暮らすのだとか。
インドでは、スラム街を一掃して高層ビルを開発するために、
コンテナハウス団地に住民を移動させる計画があるという。
いつの日か、日本も
「高級住宅に暮らす一部の富裕層」と、
「コンテナハウスに暮らすその他大勢」に分かれるんだろうか。

今回は原稿化できるほどの大きな続報がないけど、
ひとつ驚愕するものと出くわした。

福島ルポ・終わらない収束作業となくならない利権(1)」で紹介した、
福島県双葉郡広野町の海沿いにある放射性廃棄物仮置き場。
そのすぐ隣りに、基礎を深く掘って、ずいぶん大きな建物を建設している
場所があったので、なんだろうと思い、建設の許可票に記載されていた
事業者名から調べてみると、
障害者支援施設
知的障害者通所授産施設 と。

原発事故で帰宅困難区域となった町から、他県に避難した施設が、
同じ町は無理でも、「ふるさとへ」ということで、広野町にスポットを
あてたのだそうだ。
・・・とは言え、隣りは3万平米にも及ぶ、放射性廃棄物仮置き場だ。
凄まじいことをする。

泉美木蘭

昭和52年、三重県生まれ。近畿大学文芸学部卒業後、起業するもたちまち人生袋小路。紆余曲折あって物書きに。小説『会社ごっこ』(太田出版)『オンナ部』(バジリコ)『エム女の手帖』(幻冬舎)『AiLARA「ナジャ」と「アイララ」の半世紀』(Echell-1)等。創作朗読「もくれん座」主宰『ヤマトタケル物語』『あわてんぼ!』『瓶の中の男』等。『小林よしのりライジング』にて社会時評『泉美木蘭のトンデモ見聞録』、幻冬舎Plusにて『オオカミ少女に気をつけろ!~欲望と世論とフェイクニュース』を連載中。東洋経済オンラインでも定期的に記事を執筆している。
TOKYO MX『モーニングCROSS』コメンテーター。
趣味は合気道とサルサ、ラテンDJ。

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